Internal Note — Upsell Timing

USJ アップセル起点ノート

イベント逆算 × 渡航国連休逆算で、次に動くタイミングを先読みする

2026-07-15
作成: hotice

FACTUSJの現在地(事実のみ)

世界動員ランキング
世界3位アジア最大級
2024年 約1,600万人/3年連続世界3位
2023年動員の伸び
+約30%
世界1・2位(ディズニー系)は+2〜3%
2025年受賞
IAAPAアプローズ・アワード
評価軸に「日本文化との融合」

出典: TEA/AECOM Theme Index、USJ公式ニュースリリース。数値は業界標準の第三者推計(USJは非公開企業のため自社IR開示ではない)。

01参考知識:USJの国内向けマーケ施策(直近1年)

訪日インバウンドとは別に、USJが日本国内向けに何をしているかの全体像。

01 周年・年パス施策 25周年「Discover U!!!」を通年展開。年パス会員限定で「HAPPY PRICE」割引や月替わりクリアカード配布など、会員継続を促す仕掛けを複数走らせている。
02 IPコラボ(通年企画) 「ユニバーサル・クールジャパン」として、名探偵コナン・呪術廻戦・葬送のフリーレン・モンスターハンターワイルズ等、国内人気IPと年間を通じて入れ替わりでコラボ。
03 TVCM×著名人・楽曲タイアップ ブランドアンバサダー北村匠海を軸に、季節イベントごとにCMを刷新。King Gnu・Vaundy・Omoinotakeなど人気アーティストの書き下ろし新曲を毎回セットで展開するのが型になっている。
04 SNSハッシュタグ企画 「#USJで野菜の日」「#わたしのUSJ25周年フード」等、来園者の投稿を集めるハッシュタグキャンペーンを季節ごとに実施。国内著名インフルエンサーへの個別起用事例は今回確認できなかった。
気づき:国内向けは「著名人CM+人気アーティスト書き下ろし楽曲」が毎回の型。個人インフルエンサーへの直接起用は確認できず、この型自体がhoticeのインバウンド向け提案との差別化ポイントになり得る。

出典: USJ公式ニュースリリース・PR TIMES公式配信・報道各社。全件実URLで内容確認済み(詳細な施策一覧は別途提供可)。

02深掘り:直近の訪日インバウンド向け施策

「国内向けの型」とは別に、海外・訪日客に絞った直近施策を深掘りした。最も確度が高いのは関西空港店の新規出店で、これは公式に訪日客ターゲットと明記されている。

01 関西空港店 新規出店 2026年6月2日、関西国際空港・第1ターミナル国際線出国エリアに国内空港初のUSJ常設オフィシャルショップを開業。公式に「世界各国からの観光旅行客を主要ターゲット」「帰国直前まで再来訪意向を促す」と明記。空港限定グッズ・自動販売機・フォトブースを設置。
02 多言語IPコラボサイト 公式サイトの韓国語・繁体字・簡体字版で、呪術廻戦・名探偵コナン・葬送のフリーレン等のIPコラボ情報を多言語展開していることを確認。ただしWebサイト対応であり、SNS施策・インフルエンサー起用ではない。
03 韓国語公式Instagram 韓国語圏向け公式アカウント(@universal_studios_japan_kr、フォロワー約1.6万)の存在は確認。ただし個別投稿・キャンペーン内容はアクセス制限のため未検証。
04 海外OTA提携(Klook等) Klook・KKday・Trip.com経由のチケット提携は継続中だが、直近4ヶ月での新規拡大・キャンペーン告知は確認できず。
未完了・要追加調査:英語圏の公式SNS施策・海外インフルエンサー招待の起用事例は、今回の調査時間内では発見できなかった(「やっていない」と断定はできない・調査未完了)。中国語圏(Weibo/RED)の公式アカウント存在も未確認。次回はこの2点をブラウザでの目視込みで深掘りする必要がある。

出典: USJ公式ニュースリリース・USJ公式サイト多言語版・Instagram公式アカウント。全件実URLで内容確認済み。

03海外知名度

USJ単体を対象にした公的な「海外一般人口向け」認知度調査は見つからなかった。以下は代理指標。

YouGov認知度(UK)
51%
好感度31% / 調査時期非開示
YouGov認知度(US)
64%
好感度34% / 調査時期非開示
外国語口コミ人気度
国内1位遊園地・テーマパーク部門
繁体字中国語・韓国語・英語で1位
解釈上の注意:YouGov・口コミベースの数値は「すでに日本旅行に関心がある/来園済みの層」が母集団のため、認知度が高く出るバイアスがある。「渡航検討前の海外一般人口」を対象にした調査ではない点に留意。UK版とUS版で数値が異なるのもパネル差による(同一調査ではない)。

出典: YouGov Profile Page、訪日ラボ(mov)外国語口コミ分析、Nippon.com。全件実URLで内容確認済み。

04来場者の地域別内訳

USJ固有の国別来場者内訳は、決算非公開(合同会社)のため確認できなかった。今回、過去に流通していた数値の出所も特定できたので併せて報告する。

情報内容確度
USJ経営陣コメント 「来園者の3〜4割は海外からの旅行者」(USJ社長発言・時点不明の概算)
USJ公式発表(2017年) 訪日外国人年間200万人突破。上位は「中国・韓国・台湾・香港」(比率・順位は非開示、2017年時点のデータ) 高(ただし古い)
「外国人比率約15%」説の出所 民間マーケ会社(unbot.co.jp)の自社推計と特定。方法論非開示のためUSJの実態を示す数値として採用不可 要注意
混同注意:「海外ゲスト比率12.7%→15.3%」という数字が出回ることがあるが、これはUSJではなく東京ディズニーリゾート(オリエンタルランド公式ファクトブック)の数字(正確には2024年3月期12.7%→2025年3月期15.3%→2026年3月期15.1%と微減)。別法人・別施設のデータであり、USJの数値と混同しないこと。なお同ファクトブックでは「訪日外国人数に対する取り込み率」が12.1%→10.8%→9.7%と低下傾向で、訪日客増加のペースにTDRの海外ゲスト増が追いついていない可能性も示唆されている。

参考:大阪府全体の外国人客・国別内訳(USJ固有ではない代理指標)

国・地域構成比(2023年)
韓国24.5%
中国12.9%
台湾12.6%
米国8.3%
香港7.2%

出典: USJ公式(2017年PR TIMES配信)、Business Insider Japan、大阪シティ信用金庫レポート(原典:大阪観光局・JNTO)。全件実URLで内容確認済み。大阪府全体の数値はUSJ固有の来場者構成とは異なる可能性がある点に留意。

05SNS・検索データで見る海外関心の分布

YouTube・Googleトレンド・Xの3系統を実際にAPIで取得し、どの国で関心が高いかを確認した。いずれも小サンプル・短期間のスナップショットであり、確定的な国別ランキングではなく方向感として読む

Googleトレンド:指名検索の国別関心度(過去12ヶ月・世界)

国・地域相対指数(最大100)
シンガポール100
オーストラリア78
日本52
韓国51
ニュージーランド40
マレーシア33
香港30
フィリピン29
台湾16
米国15
検索語の罠:「USJ」単体で検索すると、レバノンの大学「Université Saint-Joseph」等の同名略称と衝突し、無関係な国が上位に出た(除外)。上表は衝突の少ないフルフレーズ「Universal Studios Japan」で再取得した数値。

シンガポール・オーストラリア:指名検索の月別季節性(過去5年・月平均)

シンガポール・オーストラリアは09章の「渡航増加国」リストには入っていなかったが、指名検索は上位だった(前表)。そこで「新規開拓すべきか」ではなく「いつ検索が増えるか」を過去5年分の週次データで確認した。

シンガポールオーストラリア
1月3944
2月3941
3月4839
4月4937
5月4432
6月4435
7月2630
8月2231
9月3835
10月5133
11月5336
12月5337
いつ動くべきか:シンガポールは7〜8月が谷で、9月から検索が増え始め10〜12月にピーク(年末の学校長期休暇に向けた渡航検討と一致)。オーストラリアは通年の振れ幅は小さいが、週次では1〜2月に絶対ピークが出る(豪州の夏休み)。両国とも「今(7〜8月)」が検索の谷=PRを仕込んで次の山(SG:10〜12月/AU:1〜2月)に間に合わせる最後のタイミング。ニュージーランドは指数自体が5〜21と小さく季節パターンが弱いため、現時点ではSG/AUより優先度を下げるのが妥当。

YouTube:オーガニック投稿の発信国(スナップショット)

「USJ」「Universal Studios Japan」で検索した動画上位20件のうち、有料タイアップ申告(paidProductPlacementDetails)があるものを除外し、投稿チャンネルの国籍を確認。

国・地域該当チャンネル数
日本6〜7
イギリス2
インド1
タイ1
オーストラリア1
香港1
米国1
サンプルの限界:検索クエリ2語・上位20件のみを見た結果であり、統計的な代表性はない。英語クエリ「Universal Studios Japan」の方が国際色豊かな結果を返す一方、日本語クエリ「USJ」は国内クリエイターに偏る(検索語自体のバイアス)。「イギリスが最多」と断定はできず、あくまで一つの傾向として参考にとどめること。

X(旧Twitter):直近7日間の言語分布(スナップショット)

01 「USJ」検索(30件) 日本語90%。USJ公式アカウント(@USJ_Official)のRTが多く、国内ファンの反応が中心。
02 「Universal Studios Japan」検索(30件) 英語80%・タガログ語10%・日本語10%。ただし少数の投稿がRTで拡散されているだけで、多様な発信者に広がっているわけではない。タガログ語(フィリピン)の存在は09章の渡航トレンドと方向性が一致。

出典: YouTube Data API v3(search・videos・channels、2026-07-15時点)、SerpApi経由Googleトレンド(過去12ヶ月・世界)、X API v2(直近7日間・各30件)。いずれも実データ取得・小サンプルにつき方向感として利用。

06競合ベンチマーク:TDR・ハウステンボス・レゴランド

東京ディズニーリゾート(TDR/オリエンタルランド)を中心に、訪日インバウンド向け施策で競合がどこまで進んでいるかを確認した。

企業確認できた施策海外KOL招待
TDR(オリエンタルランド) 公式サイト5言語対応。海外ゲスト比率をIRで定量開示・継続トラッキング。グループで訪日ツアー事業(羅針盤)に出資 未確認
ハウステンボス 公式サイト6言語対応(USJ・TDRより広い)。WeChat Pay/Alipay導入 未確認
レゴランド・ジャパン 英語・繁体字・簡体字サイト対応(韓国語版なし) 未確認
USJ(参考・02章) 関西空港店出店・多言語IPコラボサイト・韓国語公式Instagram 未確認
最大の発見:TDRの公式SNS(Instagram/X/TikTok/Facebook/YouTube/LINE)は全て日本語単一アカウントで、英語圏・中国語圏・韓国語圏向けの専用公式アカウントは見当たらなかった。つまりUSJの韓国語公式Instagramは、この一点においてTDRより一歩進んでいる。また3社とも海外インフルエンサー招待の事例は確認できず、「海外KOL招待」はUSJが劣っているのではなく業界全体の空白地帯である可能性が高い。

出典: オリエンタルランド公式ファクトブック2026、TDR公式SNS一覧ページ、PR TIMES、WOVN.io事例、レゴランド・ジャパン公式サイト。全件実URLで内容確認済み。「未確認」は非公表の可能性を否定するものではない。

07アップセル施策案(提案)

ここまでの事実整理から導ける、インバウンド関連の具体的な提案案。すべて「なぜこの国・このタイミングか」を裏付けデータと紐づけている。

01 言語別公式アカウント運用の先行者展開 TDRを含む競合3社が持たない「言語別公式SNSアカウント」は、USJの韓国語Instagramが既に先行している型。同じ型を台湾(繁体字)・東南アジア(英語/タガログ語)向けに横展開する提案。競合不在の今が先行者優位を取れるタイミング。
02 シンガポール・オーストラリア、今(7〜8月)仕込みの駆け込み提案 05章の季節性データで、両国とも指名検索は7〜8月が谷で9月から増え始める=今が仕込みの最後のタイミング。シンガポールは10〜12月(年末学校休暇)、オーストラリアは1〜2月(豪州の夏休み)が本番の山。「新規開拓」ではなく「毎年来る山に今から間に合わせる」提案として打ち出す。英語圏インフルエンサー起用はTDR含め業界全体で未確認のため、ここも先行者優位が取れる。
03 関西空港店を起点にした帰国前コンテンツ化 2026年6月開業の関西空港店は「帰国直前まで再来訪意向を促す」ことを公式に明言している新しい接点。ここでの体験をインフルエンサーに撮影・発信してもらう施策は、既存のパーク内施策と差別化できる。
04 フィリピン向け・セメストラルブレイク訴求 09章の連休カレンダーでフィリピンのセメストラルブレイク(10月下旬)に向けたPR仕込み目安は8月頃。05章のXデータでもタガログ語の言及が確認できており、渡航トレンドとSNS上の関心が一致する数少ない市場。
05 ハロウィーン・ホラー・ナイト15周年への駆け込み提案 08章の通り9月11日開始で残りリードタイムは2ヶ月未満だが、15周年という節目は海外向けにも訴求力がある。動くなら今月中の意思決定が前提になる、期限付きの提案。
前提の確認:上記はすべて公開情報からの仮説であり、hotice内部のUSJ実施実績・予算感とは突き合わせていない。実際に提案するには、現在hoticeが担当している範囲との重複確認が必要。

08イベント逆算:ここに向けて提案する

PR準備には数週間〜数ヶ月かかる前提で、USJが公式発表済みのイベントを開始時期順に並べた。9月開始のイベントは、今日時点で残りリードタイムが2ヶ月未満のため優先度高。

イベント期間状態
ハロウィーン・ホラー・ナイト 15周年 9/11〜11/8 残り2ヶ月未満・急ぎ
新アトラクション「バイオハザード レクイエム」 9/11〜12/27 残り2ヶ月未満・急ぎ
「貞子の呪い」ダーク・ホラー・ライド 9/11〜2027/1/4 残り2ヶ月未満・急ぎ
ミニオン・ベロウィーン・グリーティング 9/10〜2027/1/11 残り2ヶ月未満・急ぎ
25周年通年プログラム「Discover U!!!」 継続中〜2027/3/30 通年・複数回の訴求機会
スーパー・ニンテンドー・ワールド 5周年 継続中〜2027/1/11 通年・複数回の訴求機会
ポケモン新プロジェクト 時期未発表 継続ウォッチ
要判断:今回確認できた新規イベントは、いずれも9月開始=今日から2ヶ月未満。「2ヶ月以上先」の余裕を持った新規提案の種は今回見つからなかった。動くなら急ぐか、通年プログラム(25周年・スーパーニンテンドーワールド5周年)の中で次の訴求波を狙う方が現実的。

出典: USJ公式ニュースリリース・PR TIMES公式配信。すべて実URLで内容確認済み。

09渡航国逆算:どこ向けに、いつまでに仕込むか

JNTO統計で伸びが顕著な国と、その国の次の大型連休、そこから逆算した「PR仕込みの目安時期」。

直近トレンド次の大型連休PR仕込み目安
韓国 1〜5月累計 +20.6% 秋夕 9/24〜26 〜7月中
台湾 1〜5月累計 +22.3% 中秋節 9/25頃 〜7月中
フィリピン 5月 +2.8%(過去最高) セメストラルブレイク 10月下旬 〜8月頃
マレーシア 1〜5月累計 +15.4% 年末年始休暇 11/20〜1/3 〜8〜9月頃
インドネシア 1〜5月累計 +14.9% 年末年始休暇 12月〜1月上旬 〜9〜10月頃
ベトナム 1〜5月累計 +9.1% テト(旧正月)2027/2/6〜8頃 〜11〜12月頃
中東地域 2025年通年 +56.0% ラマダン明け 2027/3/10頃(推定) 〜12〜1月頃
インド 5月 +31.3%(単月最高) ディワリ 11/8前後 〜8月頃
対象外にした国:中国(2026年に入り前年比▲55〜60%台の急落)、ロシア(2025年通年+99.9%増と突出だが地政学的配慮と絶対数の小ささから優先度低)。含めるべきか判断が必要なら教えてほしい。

出典: JNTO「訪日外客数」2026年5月推計値プレスリリース。連休日付のうちイスラム暦(中東・マレーシア/インドネシアの一部)は月の観測に依存する推定値。PR仕込み目安は一般的なリードタイム論との組み合わせで、確定予約データによる裏付けではない。